Biography
27歳の中国人ピアニスト、ラン・ランは、「輝き」を意味する名前の通り、音楽界で大きな輝きを放っている。ニューヨーク・タイムズ紙はラン・ランを「最もホットなアーティスト」と呼び、ウォール・ストリート・ジャーナルは「クラシック界のロックスター」と絶賛している。最近(今となっては最近かどうか・・その際は昨年)ラン・ランの特集を組んだCNNは、「世界に類をみない技量とエネルギッシュなパフォーマンス」に絶大な賛辞を惜しまない。
ラン・ランは日本で国民的な人気を得た漫画「のだめカンタービレ」の映画化にあたり、劇中のピアノ演奏を手がけている。昨年封切られた前編での「トルコ行進曲」に続き、4月17日公開予定の「のだめカンタービレ 最終楽章」後編でも、上野樹里さん演じる主人公のだめの演奏はすべて ランランによるもの。
また、NBAプレイヤーのヤオ・ミン、俳優のジャッキー・チェンとともに、5月開催予定の上海万国博覧会の公式国際親善大使を務めている。
ラン・ランは世界各国の主要都市で多くのリサイタルやコンサートを開いているが、チケットは軒並み完売、中国人としては初めてベルリン・フィル、ウィーン・フィルやアメリカのトップのオーケストラとの共演を果たしている。また、ランランは2009年のノーベル平和賞授賞式の演奏者に抜擢され、オスロ市庁舎で開催された授与式で、オバマ大統領の前でショパンを演奏した。
2008年、北京オリンピックの開会式でピアノを演奏したラン・ランは、世界の観衆に中国の明るい将来を強く印象付けることになった。その結果4千万人に及ぶ中国人の子供達がクラシックピアノを勉強するようになったと言われており、アメリカ有数のニュース番組トゥデイ・ショーはこれを「ラン・ラン効果」とさえ呼んでいる。
ラン・ランは、演奏活動の他にも子供の音楽教育、啓蒙活動に熱心で、2008年にはニューヨークにラン・ラン国際音楽財団を設立し、若い世代への音楽普及に取り組んでいる。また2004年からユニセフの親善大使に任命され、音楽を通して、貧困や病気に苦しむ子供達の支援活動も精力的に行っている。 それら幅広い貢献の結果、タイム誌の「2009年・世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。
また、ジュリアード音楽院、カーチス音楽院をはじめとする世界の有数の音楽大学から招かれ数多くのマスタークラスを開催している。
ラン・ラン初来日は、仙台で行われたチャイコフスキー国際青少年音楽家コンクールに参加した1995年、13歳のときのこと。既に数多くのコンクールで優秀な実績をあげていたラン・ランにとっても最大規模となる国際コンクールでショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を演奏し、世界20ケ国からの参加者をおさえて見事に優勝。 ラン・ランにとって日本は思い出深い地となっている。
ラン・ラン 年譜
1982 中国の瀋陽(シェンヤン)生まれ。父からピアノを学び、4歳の時、朱 雅芬(ジュウ・ヤー
ェン)氏に師事。
1987 瀋陽ピアノ・コンクールに優勝、その後、初リサイタルを開く。
1991 北京・中央音楽院に入学。趙 屏国(ジャオ・ピーングオ)氏に師事。全国星海ピアノ・コ
ンクールで優勝。
1994 第4回国際若いピアニストのためのコンクールで第1位、および特別賞受賞。
1995 第2回チャイコフスキー国際青少年音楽家コンクール(仙台)で第1位。北京コンサート・ホールでショパンの24の練習曲全曲を演奏。
1996 中国中央交響楽団(現、中国国立交響楽団)結成記念コンサートにソリストとして参加。
江沢民国家主席の前でベートーヴェン「合唱幻想曲」演奏。
1997 フィラデルフィアに移住、カーティス音楽院でゲイリー・グラフマンに師事。
1999 17歳。「世紀のガラ」コンサートで急遽、アンドレ・ワッツに代わってシカゴ交響楽団とチャ
イコフスキーの協奏曲を代演、華々しくキャリアをデビューさせる。
2001 カーネギー・ホールで初公演。テルミカーノフ指揮、ボルティモア交響楽団と協演。
北京でのフィラデルフィア管弦楽団100周年記念公演で演奏。サヴァリッシュ指揮。
西ヨーロッパでの初公演、ロンドン ロイヤル・アルバート・ホールで開催されたBBCプ
ロムスで、テルミカーノフ指揮、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団と、
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第三番」を演奏。
2002 カーティス音楽院卒業。ラヴィニア・フェスティバルで5つのコンサートを開く。ラフマニノ
フ「パガニーニ変奏曲」など演奏。
2003 ドイツ・グラモフォン・デビューアルバムをリリース。曲目はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲
第1番」、メンデルスゾーン「ピアノ協奏曲 第1番」。ダニエル・バレンボイム指揮、シカゴ交響楽団協演。アルバムはビルボード クラシックチャートで1位となる。同年、カーネギー・ホールで初リサイタルを開く。
2004 国際連合児童基金(ユニセフ)の親善大使に任命された。コンサートではロサンゼス・フィルハーモニック、パリ管弦楽団、マリインスキー劇場管弦楽団等と協演。ベルリン・フィルハーモニーで初リサイタル。米国リサイタル・ツアー。
2005 北京でのコンサートおよび北米ツアーを行う。共演はチャイナ・フィルハーモニー管弦楽
団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ウィーンフィル・ハーモニー管弦楽団など。メータ指揮、ウィーンフィル・ハーモニー管弦楽団との協演によりウィーンで行われた「Concert for Europe」に参加。コンサートの模様は全世界で放送された。ラテンアメリカ・ファーストツアー。ゲルギエフとマリインスキー劇場管弦楽団のサポートによるアルバム「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18 パガニーニの主題による狂詩曲作品43」をリリース。
2006 ロサンゼルス・フィルハーモニック、フィラデルフィア管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
との協演。ロンドン・プロムスでのコンサート、ミュンヘン・オリンピア・スタジアムでの 2006 FIFAワールドカップ開会式での演奏。
スタインウェイ社が、初心者の子供達用ピアノとして「ラン・ラン・スタインウェイ」を設計・製
作。
モーツアルト、ショパン、シューマン、リスト作品を演奏するソロ・アルバム「メモリー」がビル
ボード クラシックチャートで1位になる。アルバム「ドラゴン・ソング」リリース。中国の作品を集めたアルバム。「ピアノ協奏曲《黄河》」などを収録。
2007 ベルリン、ヴァルトヴェーネでバレンボイム指揮、ベルリン・シュターツカペレと協演。チャールズ皇太子の招きによりエリザベス皇大后を記念して、委嘱されたピアノ協奏曲を演奏、その後エリザベス2世も臨席した「英国ロイヤル・バラエティ・パフォーマンス」に出演、その模様はテレビ放送により1300万人が視聴。第10回北京国際音楽祭で彼自身のステージデビュー20周年を祝し、10曲のピアノ協奏曲を演奏。ローマ映画祭オープニングコンサートに出演。ストックホルムのノーベル賞コンサートのゲスト・ソリストに選ばれ演奏。大晦日、北京ナショナル・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツの杮落としのコンサートに小沢征爾と共に出演。
DVD「ドラゴン・ソング」では、ドキュメンタリー・フィルムとサウンド・トラックによって聴衆を「彼の祖国」中国への革新的な旅へと誘った。
エッシェンバッハ指揮、パリ管弦楽団とのアルバム「ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番、第4番」でクラシックのビルボード・チャートで1位に躍り出た。このアルバムでグラミー賞の最優秀器楽ソロ演奏賞に中国人として初ノミネート。さらにアカデミーから会長功労賞も
与された。
2008 ユーロ・カップ閉幕を祝してのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのコンサートや、ニューヨークのセントラル・パーク、ハリウッド・ボール、シカゴのラヴィニア音楽祭、ドレスデン、ハンブルクでの野外コンサートに出演。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のジルベスター・コンサートのテレビ放送ではヨハン・シュトラウスの「中国のギャロップ」作品20を紹介。名歌手マリア・マリブランに敬意を表して2008年冬に開催される特別公演にはチェチーリア・バルトリ、マキシム・ヴェンゲーロフとともに参加。リサイタル・ツアーではカーネギー・ホールのグレート・アーティスト・シリーズを含むアメリカ12都市を訪問。過去の夏のオリンピック開催都市を歴訪する“オリンピック・ツアー”をチャイナ・フィルハーモニー管弦楽団と共に行い、その後、ロンドンのプロムスでリサイタルを開いた。
アルバムは「ラン・ラン ベスト&レア」と、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との協演による「ショパン:ピアノ協奏曲第1番、第2番」をリリース。
2009 1月にザ・シンフォニーホール(大阪)、アクロス福岡(福岡)、愛知県芸術劇場(名古屋)、
サントリーホール(東京)でリサイタルを行い9月にはウィーン・フルハーモニー管弦楽団のジャパンツアーのソリストとして再来日、サントリーホール(東京)と兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールで演奏を行った。
その他、ライプツイヒ・グヴァントハウス管弦楽団協演によるヨーロッパツアー、ロイヤル・コン
セルへボウ管弦楽団とのヨーロッパツアー、ハービー・ハンコックとの共演による世界ツアーをヨーロッパ・北米などで行った。
10月28日にはワディム・レーピン(ヴァイオリン)、ミッシャ・マイスキー(チェロ)との共演によるチャイコフスキー、ラフマニノフの作品のCDをリリースした。
ノーベル賞授賞式の演奏者に抜擢され、12月10日、オスロ市庁舎での授与式でショパン
のエチュードを演奏。
2010 1月、ダボスでの世界経済フォーラムで、世界に貢献した芸術家に与えられるクリスタル賞
受賞。3月、ニューヨーク・カーネギーホールにてハイチ被災者支援コンサートを開催。
4月公開・日本映画「のだめ カンタービレ 最終楽章」後編の劇中すべてのピアノ演奏を手がけている。

